鮮魚の粕煮汁
寒い冬にぴったりの一品。高知県足摺岬沖や長崎県五島列島沖より連日空輸される天然活〆の鮮魚は、身もちろん頭やかま、中骨や中落ちまで余すところなく使用。人参や里芋、蓮根など、季節の野菜をたっぷりと加えています。自然の恵みがいっぱい、体も心も温まるお料理です。
粕とは?
粕とは、日本酒などの製造過程でできるもろみから、酒を搾った後に残る白色の固形物のこと。近頃では発酵食品が注目を集めていますが、酒粕もその中に含まれています。粕汁や粕漬けなど様々な料理に用いられるほか、そのまま炙っておつまみにすることもあります。ただし粕の中にも多少のアルコールが含まれるため、運転をする人や酒に酔いやすい人は注意が必要です。
土佐鶴酒造
当店の粕煮汁には、土佐鶴酒造の粕を使用しています。土佐鶴酒造とは、高知県を代表する酒造メーカーの一つ。その歴史は古く、江戸時代にまでさかのぼります。戦国時代に土佐安田郷の家老であった寛松家は、江戸時代に十数隻の船を所有して海運業を始めました。そしてその傍ら、1773年には自ら育てた米で酒造りを行うようになったのです。その後1845年には酒造専業に。以来現代に至るまで「品質第一、誇れる品質の酒を造れ」という杜是のもと、伝統の技と誇りを受け継いできました。
土佐鶴酒造は高知県東部の安芸郡安田町にあります。酒蔵のすぐ側を流れるのは、ダムのない清流として知られる安田川。そこは天然鮎の住処としても全国にその名を誇る河川です。安田川の上流には、日本三大美林の一つにも数えられる魚梁瀬の杉林が。大地からもたらされた豊かな水は、もっとも美味しいと言われる軽度な硬水に属し、日本酒造りに欠かせない存在となっています。
粕の希少性
昔と比べて、近頃では粕が手に入りにくくなっています。その理由は、まず、日本酒自体の生産量が減ってきていること。日本酒の量が減れば、必然的に粕の量も減ることになります。次に日本酒の製造法が変わったこと。安価の日本酒を大量に作るため、「液化仕込み」という製造法が生み出されました。この製造法は日本酒造りの過程でほとんど粕が出ないのが特徴なのです。そして酒蔵があまり粕を一般向けに販売しなくなったことも理由の一つ。そのため昔は多くの家庭で粕を利用していたものが、最近では見かける機会が少なくなってしまいました。


